2026-04-10
親が老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等に入居し、実家が空き家になっている。
よくあるお話ですが、「とりあえず今は様子見で」とそのままにしていないでしょうか。
しかし、空き家の放置は老朽化や近隣トラブル、防犯面のリスクだけでなく、「空き家売却」を持ちかける強引な勧誘やトラブルに巻き込まれるきっかけにもなりかねません。
特に入居先の老人ホーム等の営業を通して、不動産業者に「安く買いたたかれる」ような事例もございます。
そこで本記事では、西宮市で親が老人ホーム等に入居中の子ども世代に向けて、空き家をめぐるリスクや、勧誘の注意点、実家を売却する際の基本的な流れまでを整理して解説します。
読み進めながら、「今うちがまず何を確認すべきか」がイメージできる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

親が老人ホームに入居して実家が空き家になると、まず心配なのが建物の老朽化です。
人が住まなくなると、換気や掃除が行われず、雨漏りや湿気によるカビ、シロアリ被害などが進みやすくなります。
庭木や雑草も伸び放題になり、景観が損なわれることで近隣からの苦情につながるおそれもあります。
こうした状態が続くと、最終的には倒壊リスクや火災リスクが高まり、周囲への危険要因にもなってしまいます。
また、空き家は不審者に目を付けられやすく、防犯上の問題も大きくなります。
郵便物やチラシがたまったまま、夜になっても明かりがつかない家は、留守であることが誰の目にも分かりやすい状態です。
そのため、空き巣や不法侵入、放火などの犯罪に利用される可能性が高まります。
もし事件や事故が起こった場合、所有者や管理者の責任が問われることもあり、精神的な負担も非常に大きくなります。
さらに、空き家を長期間放置して近隣トラブルが発生すると、地域での評判が悪くなり、いざ売却や活用を検討したときに交渉が進みにくくなることがあります。
倒れかけた塀や、敷地からはみ出した樹木などが原因で、隣家との関係が悪化してしまう事例も少なくありません。
一度こじれてしまった人間関係を修復するには時間も労力もかかります。
その意味でも、空き家の放置は、資産価値だけでなく家族や親族の心の負担にもつながるリスクがあるといえます。
| リスクの種類 | 具体的な例 | 放置した場合の影響 |
|---|---|---|
| 建物の老朽化 | 雨漏りや腐食進行 | 資産価値の大幅低下 |
| 近隣トラブル | 雑草や樹木の越境 | 苦情や関係悪化 |
| 防犯上の問題 | 不法侵入や放火 | 損害賠償リスク |
親が老人ホームに入居すると、名義人である高齢者や離れて暮らす家族を狙った勧誘が増える傾向があります。
とくに高齢者は在宅で電話を受ける時間が長く、電話勧誘販売や家庭への訪問販売による被害に遭いやすいと指摘されています。
「老人ホーム入居権を譲ってほしい」と持ちかけ、複数人が登場する劇場型勧誘でお金を振り込ませる手口も報告されています。
さらに、郵送物や折込チラシをきっかけに、高齢者向けサポートサービスや資産活用を名目とする勧誘が行われることもあり、慎重な対応が必要です。
悪質な勧誘の多くは、「空き家をそのままにしておくと大きな損になる」「今すぐ売却すれば特別な条件で買い取れる」といった不安をあおる言い回しを用いるとされています。
また、「特別な買い手がいる」「権利を譲るだけで高額なお金が手に入る」と、実態の分からない取引を急がせる特徴もあります。
住宅や権利の取引実績づくりを名目に、先に金銭の振込を求める手口も確認されており、その場で判断せず、一度電話を切って家族や専門機関に相談することが大切です。
万が一、空き家や資産運用を装った不審な電話や訪問を受けた場合には、まず契約書やパンフレットを見せられてもその場で署名や押印をしないことが基本です。
訪問勧誘で契約してしまった場合でも、一定の条件を満たせば書面受領日から8日以内であればクーリング・オフができる制度があります。
そして、一番の落とし穴が老人ホーム等の入居施設の営業から不動産業者への売却話です。
施設への入居が決まれば、今の持ち家の売却は自然な流れになると思われます。
その施設の担当営業や施設から不動産業者を紹介される機会もございます。
当然その施設と不動産業者とは繋がっているのですが、問題なのはそのタイミングでかなり安く買いたたかれている事例が多数ございます。
施設や担当営業者に信用が出てくる気持ちは分かりますが、不動産業者への直接の査定をお勧めいたします。
不安を感じたときや被害が疑われるときは、消費生活センターなど公的な相談窓口に早めに相談すること、不動産業者への相談で被害の拡大を防ぎやすくなるとされています。
| 勧誘の場面 | 典型的なフレーズ | 注意すべき対応 |
|---|---|---|
| 突然の電話勧誘 | 今すぐ売らないと損 | その場で返事をしない |
| 自宅への訪問 | 特別な買い手がいる | 家に上げず玄関先対応 |
| 郵送物やチラシ | 限定枠や高額利回り | 家族と内容を確認 |
まず整理したいのは、実家の名義人と、売却の意思決定ができるかどうかという点です。
親が名義人で判断能力に問題がなければ、原則として親本人が契約の主体になりますが、判断能力が低下している場合には、法律行為が無効となるおそれがあります。
このようなときは、家庭裁判所で成年後見人を選任してもらい、後見人が不動産売却などの手続きを代理する制度が用いられています。
あらかじめ任意後見契約や家族信託などで備えておく方法も紹介されており、早い段階で専門家へ相談する重要性が指摘されています。
次に確認したいのが、売却のタイミングと税制優遇の有無です。
親が老人ホームなどに入居し、生活の本拠を移した場合でも、一定の条件を満たせば「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用できるケースがあります。
例えば、入居からおおむね3年以内の期間内に売却することなどが要件とされ、税務上の取り扱いは国の通達や税制改正により細かく定められています。
また、相続発生後に空き家となった一戸建てについては「相続空き家の3,000万円特別控除」という別の特例もあり、適用要件や期限を整理したうえで売却計画を立てることが勧められています。
売却前の実務面では、空き家の管理と書類の整理、家族間の話し合いが重要な準備となります。
長期間人が住まない住宅は、雨漏りやカビ、雑草の繁茂などにより資産価値が下がるおそれがあるため、定期的な換気や清掃、雨樋や屋根の点検など、基本的な管理を続けることが望ましいとされています。
併せて、登記簿謄本や固定資産税関係書類、介護・施設契約書、親の意向を書き留めたメモなどを整理し、きょうだい間で費用負担や売却後の資金の使い方を話し合っておくと、後のトラブル防止につながります。
こうした手順を一つずつ確認しながら進めることで、親が老人ホームで安心して暮らし続けられる環境と、空き家の適切な活用の両立がしやすくなります。
| 確認すべき項目 | 主な内容 | 押さえたいポイント |
|---|---|---|
| 名義人と判断能力 | 登記名義と意思能力の確認 | 成年後見等の要否検討 |
| 税制優遇と期限 | 各種3,000万円控除の要件 | 売却時期と制度適用確認 |
| 管理と家族合意 | 空き家管理と書類整理 | きょうだい間の事前協議 |
まずは、空き家と高齢者を取り巻く状況を正しく理解することが大切です。
国や各自治体は、空き家対策や高齢者の消費者被害防止のために、相談窓口や支援制度を整えています。
こうした公的な情報を確認し、制度の概要や相談できる内容を把握しておくと、勧誘を受けたときにも落ち着いて対応しやすくなります。
特に、高齢者を狙った悪質な勧誘が増えているという現状を家族全員で共有しておくことが重要です。
次に、空き家の相談先や専門家を選ぶときの基準を持つことが安心につながります。
一般的には、空き家や相続に関する相談実績があることや、費用の説明が明確であること、複数の選択肢を示してくれることなどが、信頼できる相談先の目安とされています。
また、いきなり契約を迫るのではなく、相談と説明の時間を十分にとってくれるかどうかも大切な点です。
公的な相談窓口や、専門分野が明示されている窓口を併用して情報を確かめると、判断の精度が高まります。
悪質な勧誘から家族と資産を守るためには、日頃から行動のルールを決めておくことが有効です。
例えば、「その場で契約しない」「すぐにお金を振り込まない」「一人で判断せず家族に必ず相談する」といった共通ルールを親子で確認しておきます。
高齢者を狙った商法では、「今すぐ決めないと損をする」「特別な話なので内緒にしてほしい」など、焦りや秘密を強調する言葉が多く使われることが指摘されています。
このような話が出たときは、即座に中断し、公的な相談窓口や信頼できる専門家に確認する姿勢を徹底することが大切です。
| 確認したいポイント | 家族内での決めごと | 相談先を選ぶ視点 |
|---|---|---|
| 空き家や相続の基本的な制度 | 重要な話は必ず家族で共有 | 実績や専門分野の明示 |
| 費用や報酬の仕組み | その場で契約しない方針 | 費用説明の分かりやすさ |
| 勧誘内容の妥当性 | 一人でお金を動かさない | 複数の窓口で比較検討 |
親が老人ホームに入居し、実家が空き家になると老朽化や近隣トラブル、防犯面の不安が高まります。
空き家の方針を決めないまま放置せず、早めに売却や活用を検討することが大切です。
その一方で、「至急売らないと損をする」など不安をあおる電話や訪問の勧誘には十分な注意が必要です。
その場で契約や送金をせず、家族で話し合い、制度や税制の確認、必要な書類整理を進めながら慎重に判断しましょう。
親が老人ホームで安心して暮らし続けられるよう、空き家売却の相談は信頼できる専門家や窓口を自分たちで選ぶことが重要です。
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