2026-08-06
老後資金を確保しながら、住み慣れた自宅から離れたくないと感じていませんか。
年金だけで先々の生活費や医療費、介護費までまかなえるのか、不安を抱える60代の方は少なくありません。
そのような中で、自宅の不動産を売却し、まとまった資金を得つつ、そのまま賃貸として住み続けるリースバックという方法に注目が集まっています。
しかし、仕組みをよく理解しないまま売却手順を進めてしまうと、想定より資金が残らなかったり、将来住み続けられないといった問題につながるおそれもあります。
この記事では、西宮市の60代がリースバックを検討する際の基本的な考え方から、具体的な売却手順と注意点まで、順を追ってわかりやすく解説します。
自分たちに本当に向いている選択肢なのか、一緒に確認していきましょう。

リースバックとは、自宅をいったん売却し、その買主と賃貸借契約を結ぶことで、売却後も家賃を支払いながら同じ家に住み続ける仕組みです。
国土交通省は、住み替えや老後資金の確保などを目的とした住宅リースバックの活用が、高齢者世帯を中心に増加しているとしています。
売却代金をまとまった老後資金として受け取りつつ、住み慣れた自宅にそのまま暮らせる点が大きな特徴です。
ただし、売却価格や家賃、契約期間などの条件によって、老後資金計画への影響は大きく変わるため、仕組みをよく理解して検討することが重要です。
高齢者世帯では、公的年金が家計収入のすべてとなっている世帯が約4割を占めており、収入源が限られる中で安定した資金確保が課題とされています。
また、統計では高齢者世帯は全世帯に比べて保健医療費の支出割合が高く、今後も医療費や介護費の負担増が見込まれます。
こうした背景から、自宅を資産として活用しつつ今の生活環境を変えたくない60代にとって、リースバックは選択肢の一つになり得ます。
一方で、売却後は所有権を手放すため、相続の在り方や将来の住み替え計画も合わせて検討する必要があります。
自宅を活用する方法としては、リースバックのほか、金融機関との契約で自宅を担保に融資を受け、死亡時などに一括返済するリバースモーゲージがあります。
リバースモーゲージは自宅を手放さずに資金を受け取れる一方で、金利変動や不動産価格の下落により、将来の返済条件が変わるリスクがあります。
これに対してリースバックは、売却時点で受け取る金額と家賃が決まりやすく、「一度売却しても、一定期間は今の家に住み続けたい」という人に向く方法です。
反対に、長期間の居住を強く希望する場合や、相続で自宅を残したい場合には、契約内容によっては適さないこともあるため、両者の違いと自分の希望を整理してから選ぶことが大切です。
| 活用方法 | 向いている人 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| リースバック | 自宅売却と資金確保 | 売却価格と家賃水準 |
| リバースモーゲージ | 自宅を残したい人 | 金利変動と評価額 |
| 通常売却 | 早期の住み替え希望 | 住居確保と資金管理 |
まずは、老後に必要となるお金の全体像を把握することが大切です。
内閣府の調査では、60歳以上の高齢者が「無理なく生活するために必要」と考える生活費は、単身で月およそ20万円前後、同居家族がいる場合は月およそ25万円前後が平均とされています。
ここに加えて、将来の医療費や介護費への不安を抱える人も多く、経済的な心配ごととして「物価上昇」「収入や貯蓄の不足」「医療・介護費の負担」を挙げる割合が高い状況です。
そのため、年金収入と貯蓄額から、少なくとも今後10〜20年分の生活費と、医療・介護に備えた予備資金を概算し、どの程度の資金を自宅売却で補う必要があるか整理しておくことが重要です。
次に、自宅不動産の基礎情報を整理し、売却価格の大まかなイメージを持つことが必要です。
具体的には、建物の築年数、延べ床面積や土地面積、構造や設備の状態といった項目を一覧にし、経年劣化や修繕履歴も分かる範囲で整理します。
また、固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書に添付されている課税明細書や、市区町村が発行する固定資産税評価証明書で確認でき、相続税評価などの基礎にもなる金額です。
実際の売却価格は市場での取引水準や物件の個別事情に左右されますが、こうした基礎情報を整理しておくことで、不動産会社に相談する際の説明がスムーズになり、査定内容の妥当性も判断しやすくなります。
リースバックでは、売買契約と賃貸借契約を時系列で理解しておくことが大切です。
一般的な流れとしては、まず自宅を第三者に売却する売買契約を結び、決済日に売却代金を受け取ると同時に所有権が移転します。
そのうえで、買主との間で賃貸借契約を締結し、以後は賃料を支払いながら、これまでどおり自宅に住み続ける形になります。
国土交通省の資料では、リースバック契約においても、売買契約書と賃貸借契約書の内容を十分に確認し、賃料水準、契約期間、更新や解約の条件、修繕負担の範囲などをあらかじめ理解しておくことが重要とされています。
| 手順 | 主な確認内容 | 押さえたいポイント |
|---|---|---|
| 老後資金の試算 | 年金収入と生活費 | 10〜20年分の必要額整理 |
| 自宅情報の整理 | 築年数と面積等 | 固定資産税評価額の確認 |
| 契約内容の確認 | 売買と賃貸条件 | 賃料と契約期間の把握 |
住宅のリースバックは、自宅を手放さずに老後資金を確保しやすい一方で、通常の売却より売却価格が低くなりやすい傾向があるとされています。
また、売却後に支払う賃料も、周辺の家賃相場より高く設定される事例があることが、国土交通省や国民生活センターの資料からうかがえます。
そのため、老後の生活費や年金収入とのバランスを冷静に見直し、「いくらで売れて、毎月いくら払うことになるのか」を具体的な数字で確認することが大切です。
特に60代の方は、将来の収入変化を見越し、無理のない賃料水準かどうかを慎重に検討する必要があります。
さらに注意したいのが、賃貸借契約の種類や期間に関する確認不足です。
国土交通省の整理では、賃貸借契約には更新を前提とした普通借家契約と、期間満了で終了する定期借家契約があり、リースバックでは後者が用いられる例も少なくありません。
定期借家契約の場合、契約期間が満了すると原則として更新がなく、再契約の可否や条件は個別の取り決めによります。
したがって、「ずっと住み続けられる」と思い込まず、契約期間、再契約の条件、途中解約の扱いなどを、自分や家族が理解できる言葉で丁寧に説明してもらうことが欠かせません。
また、高齢者を狙った強引な勧誘や、契約上の落とし穴にも気を付ける必要があります。
国民生活センターには、売却契約は原則としてクーリング・オフの対象とならず、一度契約すると簡単には取り消せないことを理解していなかった相談が寄せられています。
加えて、途中解約時の違約金や、滞納時の明け渡し条件などが高齢者に不利になっているケースも見受けられます。
そのため、急かされて契約を結ぶことは避け、少なくとも契約書類一式を持ち帰って家族と確認し、公的な相談窓口にも内容を見てもらうなど、複数の目で慎重に判断することが重要です。
| 確認項目 | 見落とし例 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 売却価格と賃料水準 | 一時金だけで判断 | 老後の家計逼迫 |
| 契約期間と更新条件 | 定期借家を未確認 | 住み続けられない可能性 |
| 解約条件と違約金 | 口頭説明のみ鵜呑み | 高額な負担発生 |
まずは、リースバックで受け取る売却代金と、その後の家計への影響を数字で確認することが大切です。
老後の生活費については、内閣府などの調査でも、物価上昇や医療・介護費への不安を感じる高齢者が多いとされています。
そこで、現在の生活費に将来増える可能性のある医療・介護費を上乗せし、年金収入と売却代金の取り崩し額、さらにリースバック後の家賃を見比べます。
少なくとも、今後10~20年程度の期間について、毎年の収支が赤字にならないかを家計簿や試算表で確認しておくことが重要です。
次に、「本当にリースバックを選ぶべきか」を、他の選択肢と比較して考える必要があります。
通常の売却でまとまった資金を得て、より家賃負担の軽い住まいへ住み替える方法や、金融機関の借入を活用する方法なども含めて検討します。
国土交通省のガイドブックでは、リースバックは自宅に住み続けながら資金を得られる一方で、売却価格が通常より低くなったり、賃料負担が重くなったりする可能性がある点が指摘されています。
それぞれの方法で「手元に残るお金」と「毎月の支出」がどう変わるかを比較し、老後の安心感が最も高くなる選択肢を見極めることが大切です。
さらに、契約前には家族への情報共有と、公的な相談窓口の活用が欠かせません。
国民生活センターや各地の消費生活センターには、住宅リースバックに関する相談が寄せられており、高齢者が内容を十分理解しないまま契約してトラブルになる事例も報告されています。
そのため、契約書の内容や将来の家賃負担、住み続けられる期間などについて不安があれば、早めに公的機関の窓口で第三者の意見を聞いてください。
家族にも資金計画や契約内容を共有し、認識のずれをなくしておくことで、契約後のトラブルや後悔を減らすことにつながります。
| 確認項目 | 具体的な内容 | 相談先の例 |
|---|---|---|
| 老後資金の試算 | 生活費と医療介護費の総額 | 自治体の相談窓口 |
| 他制度との比較 | 通常売却や借入との違い | 公的機関の相談窓口 |
| 契約内容の確認 | 賃料水準と住める期間 | 消費生活センター |
リースバックは、自宅を売却しても住み続けながら老後資金を確保できる有力な選択肢です。
一方で、売却価格が低くなりやすいことや、賃料負担・契約期間の条件次第では、将来住み続けられないリスクもあります。
まずは老後資金と家計を丁寧に試算し、通常売却や借入との比較を行ったうえで判断することが大切です。
当社では、将来の生活設計や家族の意向も踏まえたリースバックの可否を個別に無料相談できます。
少しでも不安や疑問があれば、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。