不動産購入で相続対策は可能か?効果やメリットデメリットを解説

2026-06-08

相続対策として不動産購入を検討しているものの、本当に効果があるのか、またどの程度のメリット・デメリットがあるのか、悩まれている方は少なくありません。
特に資産が1億円前後からそれ以上あるご家庭では、相続税の負担が将来どのくらいになるのかが大きな不安材料になります。
その一方で、安易に不動産を購入すると、思わぬリスクを抱える可能性もあります。
そこで本記事では、不動産購入が相続対策としてどのような仕組みで相続税評価額に影響するのかを整理しつつ、節税効果だけでなく賃料収入や資産保全といったメリット、さらに注意すべきデメリットまで、できるだけわかりやすく解説します。
ご家族の将来を見据え、不動産を活用した相続対策が自分たちに本当に合っているのか、一緒に確認していきましょう。


不動産購入が相続対策になる仕組みと効果

相続対策として不動産購入が注目される大きな理由は、同じ金額でも現金より相続税評価額が下がりやすい傾向があるためです。
土地は国税庁が公表する路線価や、固定資産税評価額を基準に評価されますが、これらは一般に実際の取引価格である時価より低く設定されることが多いとされています。
そのため、相続財産を現金だけで保有する場合と比べて、一定の条件のもとで評価額を抑えられる可能性があります。
ただし、土地の形状や利用状況などにより評価は大きく変わるため、個別の確認が重要です。

さらに、取得した不動産を賃貸用として活用すると、相続税評価額が一段と抑えられる仕組みがあります。
建物については、固定資産税評価額をもとに評価されるため、建築費や購入価格と比べると評価額が低くなる場合があります。
また、賃貸用の土地や建物は、自用の場合と比較して借地権割合や借家権割合などを反映した評価が行われるため、一定の条件を満たすことで評価額が減少することがあります。
このように、賃貸用不動産として利用することで、相続税負担の軽減と家賃収入の確保を同時に目指す考え方が広がっています。

現金のまま相続する場合は、原則として預金残高などがそのまま相続税評価額となるため、資産額が大きいほど課税対象も大きくなります。
一方で、同じ金額を不動産に変えて相続する場合、路線価や固定資産税評価額にもとづき、実際に支払った取得価格より低い金額で評価される可能性があります。
その結果、相続税の課税対象となる評価額が抑えられ、税負担が軽くなるケースがあります。
もっとも、不動産購入に伴う諸費用や維持管理費、将来の売却時の譲渡所得税なども踏まえて、総合的な負担を比較検討することが大切です。

比較項目 現金のまま相続 不動産を購入して相続
相続税評価の基準 残高がそのまま評価 路線価等による評価
評価額の傾向 資産額とほぼ同額 時価より低くなる可能性
将来の収益性 利息中心の運用 家賃収入獲得の可能性
管理・手間 金融機関での管理 賃貸管理や維持費負担

相続対策として不動産購入をする主なメリット

相続対策として不動産を購入すると、相続税評価額の圧縮だけでなく、賃料収入の確保やインフレへの備えといった資産保全の効果が期待できます。
現金は物価上昇によって実質的な価値が目減りしやすい一方で、不動産は物そのものに価値があるため、長期的には価値を保ちやすい資産とされています。
さらに、賃貸用に活用すれば、毎月の賃料収入を得ながら相続税評価額を抑えることができるため、資産規模が大きいご家庭ほど検討する価値が高まります。
このように、不動産購入は「税負担の軽減」と「資産の守り」を同時に図りたい方に有効な選択肢となり得ます。

不動産を相続対策に活用するうえで重要な制度の一つが、小規模宅地等の特例です。
被相続人の自宅の土地について一定の要件を満たす場合、相続税評価額を最大で約80%減額できる仕組みが設けられており、評価対象面積にも上限が定められています。
また、事業用の土地や賃貸用不動産の土地についても、区分ごとに減額割合や面積要件が定められており、適用可否によって相続税額が大きく変わることがあります。
どの区分に該当するか、誰がどのように取得するかで適用の可否が変わるため、事前に家族構成や利用状況を整理しておくことが大切です。

不動産購入時にローンを利用し、団体信用生命保険に加入しておくと、万一の際に残債が保険金で完済され、遺族に借入のない不動産が残る仕組みとなります。
一般に、団体信用生命保険から支払われる保険金は金融機関に支払われるため相続税の対象とはならず、不動産自体のみが相続財産として評価されます。
その結果、生前はレバレッジを活用して資産を形成しつつ、相続発生時には借入のない不動産を残せるため、資産の残し方という点でも一定の安心材料となります。
ただし、返済期間中の金利負担や、相続後の維持管理費用なども含めて総合的に検討することが重要です。

メリットの種類 期待できる効果 検討時の主な留意点
賃料収入の確保 継続的な家賃収入源 空室リスクと賃料水準
インフレへの備え 物価上昇時の資産保全 立地と長期需要動向
税制優遇の活用 小規模宅地等の評価減 適用要件と取得者区分
ローンと保障の連携 団信による残債免除 金利負担と保険内容

不動産購入で起こりうるデメリットとリスク

相続対策として不動産を購入すると、資産を現金から不動産に移すことになります。
その結果として、相続発生時に資産を分けにくくなり、相続人どうしの意見が対立しやすくなるおそれがあります。
特に、相続人の人数が多い場合や、不動産を利用したい人と売却したい人が分かれる場合には、遺産分割協議が長期化しがちです。
このように、不動産購入は節税効果の一方で、家族関係に影響するリスクも意識しておく必要があります。

次に、賃貸用不動産として保有する場合の収益面の不安定さがあります。
総務省や国土交通省の統計でも、地域や築年数によって空室率や家賃水準が変動していることが示されています。
空室が続いたり家賃相場が下落したりすると、想定していた賃料収入が得られず、ローン返済や維持管理費の負担だけが残る可能性があります。
また、建物の経年劣化や市場環境の変化により、将来の売却価格が期待より低くなることも考えられます。

さらに、現金を多く不動産に振り向けることで、手元資金が不足するリスクにも注意が必要です。
相続税は原則として現金で納付する必要があり、納税額に対して十分な現預金がない場合、相続人が不動産を急いで売却せざるを得ない事態になりかねません。
また、老後の生活費や医療費、介護費など、長期的に必要となる支出も現金で備えておくことが望ましいとされています。
このため、不動産購入による相続対策を検討する際には、納税資金と老後資金の両方を確保できる計画かどうかを慎重に確認することが大切です。

リスクの種類 主な内容 事前対策の方向性
分割の困難さ 不動産の共有化・争続発生 遺言作成・生前の話し合い
収益の不安定さ 空室増加・家賃下落 余裕ある返済計画・資金準備
手元資金不足 納税資金・老後資金の欠如 現預金の確保・購入額の調整

相続対策で不動産購入を検討する人の判断手順

相続対策として不動産購入を検討する際には、最初にご自身とご家族の状況を冷静に整理することが大切です。
具体的には、家族構成や相続人の人数、年齢や居住状況を把握したうえで、現在保有している金融資産や不動産の内訳を書き出します。
あわせて、老後の生活費や医療・介護費用など、将来必要となる資金額を概算し、相続対策にどの程度の資金を振り向けられるかを確認します。
このように全体像を見える化することで、「本当に不動産を購入する必要があるのか」「現金のまま一部を残すべきか」といった判断がしやすくなります。

次に、不動産購入を検討する場合は、どのような物件種別が目的に合うかを整理します。
自ら居住する用か賃貸用か、土地のみか建物付きかによって、相続税評価や管理の手間、収益性が大きく変わるためです。
あわせて、想定するエリアの将来の人口動向や賃貸需要、インフラ整備状況などを確認し、長期的に借り手や買い手を確保しやすいかを検討します。
さらに、借入を前提とする場合には、返済期間中の収入見通しや金利上昇の影響も踏まえ、無理のない借入額かどうかを事前に試算しておくことが重要です。

最後に、相続対策の検討では、相続税額だけに着目せず、納税資金の確保や物件管理の負担も含めて総合的に判断することが欠かせません。
不動産を活用することで相続税評価額が下がっても、手元の現金が不足すると、相続発生後の納税や修繕費・固定資産税の支払いに支障が出るおそれがあります。
また、相続人が複数いる場合には、将来の管理方針や売却の合意形成が円滑に進むかどうかも確認しておく必要があります。
そのため、税理士や不動産の専門家などに早めに相談し、ご家族それぞれの意向も聞きながら、無理のない相続対策の方針を固めていくことが望ましいです。

判断ステップ 主な確認事項 注意すべき点
現状整理 家族構成と資産内訳 老後資金の過不足
物件検討 物件種別とエリア 賃貸需要と将来性
最終判断 納税資金と管理体制 相続人間の合意形成

まとめ

不動産購入は、相続税評価額の圧縮や賃料収入の確保など、相続対策として大きな効果が期待できる一方で、分割のしにくさや空室リスク、納税資金不足などのデメリットもあります。
大切なのは、家族構成や保有資産、今後の生活資金を整理したうえで「本当に不動産が必要か」を見極めることです。
そのうえで、物件種別や借入額、管理負担まで含めて専門家と一緒に検討すれば、安心して相続対策を進められます。
当社では、お客様ご家族の状況を丁寧にお伺いし、無理のない不動産購入による相続対策をご提案しています。
相続や資産のことで少しでも不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
階地 陽大の写真

階地 陽大

かいち ひろき / 営業

宅地建物取引士 | キャリア10年
出身地 兵庫県芦屋市
誕生日 1985年8月20日
趣味 映画鑑賞・旅行・ゴルフ
変えるにはリスクが伴う。変えなければもっと大きなリスクが伴う。
― ジョン・ヤング

ご挨拶

初めまして!階地 陽大(かいち ひろき)と申します!不動産業に携わり10年、西宮市・尼崎市を中心に阪神間でよく活動させていただいております。近年インターネットやスマホの普及により、誰でも、いつでも、どこでも情報が見れる時代になりました。一昔前は不動産屋さんに行かないと物件の情報や相場等が分かりませんでした。ですので、今は溢れた情報から自分に合った情報を選別する事が大切だと日々感じております。

その中で私が日々心掛けている事は、本当に思ったことをお伝えする事と、本当の意味でお客様に寄り添った提案をさせていただく事です。例えば住宅購入にあたり、購入後の方が大切だと考えております。ローンが通ったとしても、月々の支払いや維持管理費等の方が生活に直結してきます。また住宅売却の際も、主に買取や仲介がありそれぞれにメリット、デメリットがございます。

そういった事を分かりやすくお伝えしてお客様にとってより良いご提案ができるよう心掛けております!相談だけでも結構ですので、不動産売却・買取り・購入は西宮市・尼崎市不動産売却ナビ、階地(かいち)までお気軽にご相談ください!

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