解体して売るか古家付きで売るか?空家の判断軸を整理 どちらが良いか迷う所有者向け売却の考え方

2026-04-16

「住む予定の無い空家を、このまま古家付きで売るべきか、それとも解体してから売るべきか」。
そう悩んでいる方は少なくありません。
どちらを選ぶかによって、手元に残るお金だけでなく、売れるまでのスピードや手間、リスクも大きく変わります。

そこで本記事では、「解体して売る」「古家付きで売る」という代表的な2つの方法を、空家所有者の目線でわかりやすく整理します。
それぞれのメリット・注意点に加え、立地条件や建物の状態、自治体の制度などをふまえた判断の軸も具体的に解説します。
読み終える頃には、自分の空家にとってどちらが良いか、ぐっとイメージしやすくなるはずです。
まずは全体像から一緒に整理していきましょう。


空家を売る前に知りたい基本パターン

住む予定の無い空家を売却する場合、多くの所有者が「解体して更地にしてから売るか」「古家付き土地として現況のまま売るか」で悩まれます。
全国的にも、この2つが代表的な売却パターンとして紹介されています。
どちらを選ぶかによって、かかる費用や売却期間、買主の検討のしやすさなどが変わってきます。
まずは、それぞれの特徴を整理して理解しておくことが大切です。

解体して更地として売却する場合は、建物が無い分だけ買主が新しい建物の計画を立てやすく、一般的に検討の間口が広がりやすいとされています。
一方で、解体費用を売主側が負担する必要があり、手元に残るお金は古家付きで売る場合と比較して変化します。
古家付き土地として売る場合は、買主が自ら解体やリフォームを行う前提で購入するため、売主が解体費用を準備しなくてよい点が大きな特徴です。
ただし、古家があることで、解体費用を見込んだ値下げ交渉を受けやすい側面も指摘されています。

また、「解体して売る」「古家付きで売る」では、想定される買主像やニーズも異なります。
更地の場合は、新築住宅を建てたい人や建築計画を自由に立てたい人からの需要が中心になりやすいとされています。
古家付き土地の場合は、古家を活かして改修したい人や、費用を抑えて土地を取得したい人、事業用に建物を活用したい人など、建物の状態や使い方に着目する買主が候補になります。
このように、どのような買主を想定するかによって、選ぶべき売却パターンが変わる点も押さえておきたいところです。

さらに、空家の立地や築年数、構造など、どちらの方法を選ぶ場合でも共通して確認しておきたいポイントがあります。
たとえば、交通利便性や周辺環境、用途地域などの立地条件は、空家の評価や需要に大きく影響するとされています。
築年数や建物の老朽化の程度、木造か鉄骨造かといった構造も、解体費用の目安や安全性、買主側のリフォーム可能性に関わります。
あわせて、登記名義の確認や境界の状況など、基本的な権利関係も整理しておくと、売却手続きがスムーズになりやすいとされています。

売却方法 主な買主像 事前チェックの重点
解体して更地売却 新築計画の個人・事業者 解体費用・地盤状況
古家付き土地売却 リフォーム前提の購入者 建物の状態・告知内容
どちらにも共通 立地条件重視の購入者 立地・築年数・権利関係

解体して売る場合のメリット・注意点

住む予定の無い空家を解体して更地として売却すると、多くの買主にとって利用イメージが描きやすくなり、検討の間口が広がりやすいです。
古家が残っていると建物の状態確認やリフォーム費用を気にする必要がありますが、更地であれば新築や駐車場など、用途を自由に計画できます。
また、老朽化した建物をそのまま残すよりも、倒壊や外壁の落下などによる近隣トラブルや事故リスクを減らせる点も大きな安心材料です。
このように、更地にして売ることは、買主だけでなく空家所有者にとっても管理負担の軽減につながる選択肢といえます。

一方で、解体して売る場合は、事前に解体費用の目安を把握しておくことが大切です。
一般的に木造住宅の解体費用は、延べ床面積の坪数に対しておおよそ坪あたり約4万~5万円程度が目安とされていますが、構造や立地条件により変動します。
さらに、ブロック塀の撤去や庭木の伐採、地中埋設物の処理、アスベスト調査や除去などが必要になると、基本工事とは別に追加費用が発生します。
そのため、複数の解体業者から見積書を取り寄せ、何が基本料金に含まれ、どこからが追加工事になるのか、内訳をよく確認しておくことが重要です。

さらに見落とされがちですが、解体して更地にすると固定資産税の負担が増える可能性があります。
建物がある住宅用地には、一定の条件を満たすことで「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税額が大幅に軽減される仕組みがありますが、更地になるとこの特例が使えなくなるためです。
ただし、空家の管理が不十分で「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、建物を残したままでも特例が外れ、結果として税負担が重くなる場合があります。
したがって、固定資産税がいつからどの程度変わるのか、解体の時期と売却予定時期を含めて、早めに自治体の窓口や税の専門家へ相談しておくことが望ましいです。

確認項目 主な内容 見落としリスク
解体費用の相場 構造別坪単価の確認 予算超過・資金不足
追加工事の有無 ブロック塀や庭木撤去 見積外費用の発生
税金の変化 固定資産税特例の喪失 想定外の税負担増加

古家付きのまま売る場合のメリット・注意点

古家付きのまま土地を売却する方法には、解体費用をかけずに売却できるという大きな利点があります。
古家付き土地は、買主が自ら解体して新築を建てたり、改修して活用したりする前提で検討されることが多く、建物の価値よりも土地の立地や形状を重視する傾向があります。
そのため、更地より価格を抑える代わりに解体費用を買主側が見込む形で売買されるのが一般的であり、資金負担をできるだけ減らしたい売主にとって魅力的な選択肢になりやすいです。
また、契約条件次第では「現況有姿」での引き渡しとすることで、売主側の手間や工事手配を抑えやすい点も古家付き売却の特徴です。

一方で、古家がある場合でも、雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の不具合など、把握している欠陥については売主に告知義務が生じます。
空家を売却する際、これらの不具合を隠して契約すると、引き渡し後に買主から契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除を求められる可能性があります。
そのため、既に雨漏り跡がある、シロアリ工事歴がある、給湯器や配管に不具合があった等の事実は、仲介会社を通じて作成される告知書などで、できるだけ具体的に伝えておくことが重要です。
また、古家付き土地として売る場合でも、契約書上は「土地売買」であるのか「建物を含む売買」であるのか、契約不適合責任の範囲や期間をどのように定めるのかを事前に整理しておく必要があります。

さらに、空家をそのまま売る場合には、建物の老朽化に伴う安全性や、庭木の越境、ゴミの散乱などが近隣トラブルにつながるおそれもあります。
売却を進める前に、敷地内外の雑草や樹木の枝を整理し、外壁や屋根材の落下の危険がないか、近隣の敷地に物がはみ出していないかといった点を確認しておくことが望ましいです。
また、室内に家財道具や電化製品などの残置物が大量に残っている場合は、そのまま引き渡すのか、売主側で処分するのかを事前に取り決めておくことで、引き渡し時のトラブルを避けやすくなります。
このように、古家付きのまま売る場合は、費用負担を抑えられる一方で、建物の状態と管理状況を整理し、告知や契約条件を丁寧に決めておくことが重要です。

項目 確認すべき点 売主側の主な対応
古家の状態 雨漏りやシロアリ被害の有無 把握している不具合の正確な告知
敷地と近隣関係 庭木越境やゴミ放置の有無 草木の整理や簡易清掃の実施
残置物 家財や家電の残存状況 処分範囲と費用負担の事前合意

住む予定の無い空家で「解体して売る」か「古家付きで売る」か判断する軸

まずは、立地条件や需要の高さを整理して考えることが大切です。
周辺で新築住宅用の土地需要が強く、更地の取引事例が多い地域では、解体して売る方が売却しやすい傾向があるとされています。
一方で、築年数は古くても建物の状態が比較的良く、リフォームや再利用の需要が見込める場合には、古家付きのまま売却する選択肢も有力です。
また、再建築の可否や前面道路の状況など、法令上の制限も方法選びに大きく影響しますので、事前に確認しておくことが欠かせません。

次に、「どちらが多く手元にお金が残るのか」という視点で比べることが重要です。
解体して売る場合は、木造であれば概ね坪あたり5~7万円程度の解体費用が目安とされており、延床面積から概算できます。
ただし、更地にすると住宅用地の特例が外れるため、翌年度以降の固定資産税が最大で約3〜6倍に増える可能性がある点にも注意が必要です。
古家付きのまま売る場合は解体費用の負担を抑えられる一方で、建物の老朽化が進んでいると買主が解体費用を見込んで価格交渉を行うことが多く、最終的な売却価格に影響しやすいと言われています。

さらに、自治体の空家対策や補助金制度の有無を確認し、自分の空家に当てはめて検討することも大切です。
多くの自治体では、老朽化した空家の解体費用の一部を補助する制度や、特定空家に指定される前に解体を促す支援策を設けており、条件が合えば数十万円規模の補助を受けられる場合があります。
また、相続した空家を一定の条件で売却する場合には、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例が設けられており、解体費用も譲渡費用として所得計算上考慮できる可能性があります。
このような制度を踏まえ、「補助金を活用して解体した上で更地売却する方が有利か」「補助金が使えないため古家付きで早期売却を目指すか」といった順番で検討すると、自分に合った判断がしやすくなります。

判断の主な軸 解体して売る 古家付きで売る
立地・需要 更地需要が高いエリア向き リフォーム需要があるエリア向き
金銭面の特徴 解体費負担あり手残り精査 解体費不要だが価格調整想定
税金・制度 固定資産税増加と補助金確認 住宅用地特例維持しやすい

まとめ

住む予定の無い空家を売るときは、「解体して売る」と「古家付きで売る」の2つの基本パターンがあります。
それぞれで想定される買主やニーズ、必要な費用やリスクが異なるため、立地や築年数、建物の状態を整理して比較することが大切です。
解体して売る場合は、更地として売りやすい一方で、解体費用や固定資産税の変化を事前に確認する必要があります。
古家付きで売る場合は、解体費用が不要ですが、老朽化や雨漏りなどの不具合はしっかり告知し、契約内容を慎重に検討しましょう。
どちらが良いかは、手元に残るお金、売却までの期間、手間やリスクを総合的に比べ、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

お問い合わせはこちら

この記事を書いた人
階地 陽大の写真

階地 陽大

かいち ひろき / 営業

宅地建物取引士 | キャリア10年
出身地 兵庫県芦屋市
誕生日 1985年8月20日
趣味 映画鑑賞・旅行・ゴルフ
変えるにはリスクが伴う。変えなければもっと大きなリスクが伴う。
― ジョン・ヤング

ご挨拶

初めまして!階地 陽大(かいち ひろき)と申します!不動産業に携わり10年、西宮市・尼崎市を中心に阪神間でよく活動させていただいております。近年インターネットやスマホの普及により、誰でも、いつでも、どこでも情報が見れる時代になりました。一昔前は不動産屋さんに行かないと物件の情報や相場等が分かりませんでした。ですので、今は溢れた情報から自分に合った情報を選別する事が大切だと日々感じております。

その中で私が日々心掛けている事は、本当に思ったことをお伝えする事と、本当の意味でお客様に寄り添った提案をさせていただく事です。例えば住宅購入にあたり、購入後の方が大切だと考えております。ローンが通ったとしても、月々の支払いや維持管理費等の方が生活に直結してきます。また住宅売却の際も、主に買取や仲介がありそれぞれにメリット、デメリットがございます。

そういった事を分かりやすくお伝えしてお客様にとってより良いご提案ができるよう心掛けております!相談だけでも結構ですので、不動産売却・買取り・購入は西宮市・尼崎市不動産売却ナビ、階地(かいち)までお気軽にご相談ください!

ブログ一覧ページへもどる

まずはご相談ください!

0798-36-4689

営業時間
9:00~19:00
定休日
火曜日、水曜日

売却査定

お問い合わせ